ワクチンの“副反応”と“有害事象”の大事な違いとは? 〜1分でわかるコロナワクチンの基本の単語〜
2021/03/01
メディカルノートに登録しているのですが、ここからのメールから書いておきますね。
最近、新型コロナワクチンについてのニュースなどで、「副反応疑いの報告」とか「有害事象は〇件」という言葉が飛び交っています。
では、“有害事象”と“副反応”の意味を正しく説明できる人はどのくらいいるでしょうか? この2つの用語は似た使われ方をしますが、実は別の意味を持っているのです。
副反応と有害事象の違い
ワクチンを接種すると“免疫”ができます。この免疫によって、私たちは病気を予防することができます。ワクチンを接種して免疫ができるのは、“接種による効果”です。
しかし、ワクチンが引き起こすことは“効果”だけではありません。
ワクチンを接種した後に注射を打った部位が腫れたり、熱が出たりしたことがある人もいるでしょう。
このようにワクチンの“効果”以外に起こったことで、ワクチンが原因であるものを“副反応”といいます。
さて、ここで皆さんに注意していただきたいことがあります。もしワクチンを接種した日の夜に何らかの症状が出たら、誰でもワクチンのせいだと疑いたくなるでしょう。
しかし、こうした症状全ての原因がワクチンであるとは限りません。たとえば、ワクチンを打った翌日に自転車とぶつかってけがをしたような場合、
けがの原因は十中八九ワクチンではないでしょう。また、ワクチンを接種した後の発熱などは、その原因がワクチンであることもそうでないこともあります。
“有害事象”とはこのように、(1)ワクチンが原因のこと、(2)ワクチンが原因かどうか分からないこと、(3)ワクチン以外が原因のことを含めた“接種後に生じた全ての好ましくない出来事”を指します。起こった症状の原因がワクチンであるかどうかは、医師によって判断されます。
意味の違いを正しく理解することが大切
現在、新型コロナワクチンの有害事象として軽いものから重いものまでさまざまな症状が報告されており、不安を感じることもあるでしょう。
しかし、“有害事象”の中にはワクチンが原因ではない、“たまたまワクチンを接種した後に起こったこと”も含まれています。“副反応”とは意味が違うことは覚えておきましょう。