やっぱり悩みは人間関係か②
2021/02/12
やっぱり悩みは人間関係か②
続きを。。。
前回は海外でのことでしたが・・・
日本でも、最近ではユニークな授業をオンラインで受けられる通信制の高校や、自然の中で家畜を育てたり、ツリーハウスをつくったりしながら学ぶ学校が、
文部科学省から学校として認められるようになりました。学校の形はどんどん変わっていますから、情報を集めて、
自分や我が子にあった学校を見つけてほしいと思います。
それでも、学校は単に選択肢の一つとして捉えればいいと、ぼくは思います。学びの場は学校以外にもたくさんあるのですから。
ぼくは学校には行っていましたが、小学一年生のときからチョウの研究をして、それが自分の糧になりました。学校の外で学べることは大きいんです。
習い事やスポーツのクラブチームなども、学校の枠組みをこえて、同世代や上の世代とのつながりができる、よい学びの場だと思います。
不登校の背後には「ありのまま」の豊穣さがある------------------------------------------------------------------
不登校の問題は、子どもたちの「ありのまま」を受け入れるという、教育における根本思想につながります。
子どもたちの個性は、もって生まれたものであると同時に、その経験を通して育まれていくものでもあります。その個性の成長の軌跡において、
「今、ここ」のありようを「安全基地」としていったん受け入れてあげることが、何よりも大切なことなのです。
不登校は、個性の一つの現れ方に過ぎません。その背後には、とても豊かな「ありのまま」の豊穣があります。その奥深い個性のあり方を伸ばすために、
さまざまな工夫を大人たちがしてあげるべきだと思います。
それでは子どものありのままを受け入れる「安全基地」とは、どういう場所なのでしょうか。
それは自分が自分でいられる場所、つまり「居場所」です。
脳科学では「セキュアベース」といって、気を張ったり、何かを演じたりしなくてもいい、リラックスできる場所を指します。
本来、家庭は子どもにとって居場所であるはずです。
しかし親からの要求が強くて、親がいる間はゲームを我慢して勉強をしているふりをしなくてはいけないとなると、
親がいる間は、その子にとって家に居場所がないような状況といえますね。
「居場所」は人間の脳を成長させる--------------------------------------------------------------------------------------
一方で、自分が役に立つ場所というのも居場所になります。お手伝いができるとか、自分が必要とされている場所です。
人間の脳には他人のために行動しようと考える思考の回路があるので、誰かのために何かしたいと本能的に思うのです。
子どものころに居場所があるかどうかで脳の発達が変わることが、科学的な研究で証明されています。
居場所をつくることは、とても創造的な行為です。子どもにとって居場所を得るということは、長い生涯全体にわたってかけがえなのない財産になり、
また成長の礎
になってくれるのです。
居場所をつくることは子どもだけでなく、大人を含めた社会全体にとっても大切な課題になります。\\\\\\\\\\\\\\\\
たとえば現代では、インターネット上のさまざまなプラットフォームや、ソーシャルメディアは、多くの人にとっての「居場所」になっています。
テクストや動画をシェアし、おたがいにやりとりすることで自分を表現し、さまざまな「他者」に出会うことができる。
そのような行き交いを通して、少しずつそれぞれの個性を活かすことができますし、さまざまな創造も生まれます。
現代において、社会や経済が発展するための基礎は、巧みな居場所づくりにこそあるといえるでしょう。その際、さまざまな個性を包摂するような仕組みが必要です。子どもの学びから大人の活動まで、「居場所づくり」は鍵となります。
居場所こそが、人間の脳を成長させるのです。
自分の個性を伸ばせる学校づくりを
人工知能が発達して、世の中が大きく変わっていくと、大人も自分たちが学校で学んだスキルだけでやっていけるわけではありません。
日本の教育の未来は、ホームスクーリングを含む「もうひとつの学び方」の方にあるといってよいと思います。
これからの学校に居場所として期待することがあるとすれば、もっと個性と創造性を伸ばせる学びの場になってほしいということです。
そして子どもたちだけではなく、大人たちも通える学校ができていくといいですね。
どんな人も年齢に関係なく、自分の個性を伸ばし、創造性を発揮できる学校ができて、学びたい時に学べる社会ができたらいいなと思います。
ラストに先生の著書の画像ものせますね。